Snapchatの最近の利用状況の指標とその分析から、適切なデータ利用がオーディエンスの優れたインサイトをもたらすことを示します。
どんな種類のマーケティングでも、「思い込み」の罠にはまるのは簡単です。自社のオーディエンスが何を求めているのか、どんな行動をとるのか、そもそもどんなユーザー属性があてはまるのか。そうしたことを直感だけで決めてしまわないために、データが必要になってきます。
特にモバイルマーケティングにおいてデータの必要性は高いと言えます。非常に詳細で的を絞った情報が豊富に存在するため、それらと照合し自分の推測が正しいかどうかをチェックすることができます。マーケターや広告主にとって、データの粒度の高さは、モバイル業界で仕事をする上で最も強力な武器のひとつです。しかし、情報を集めることは最初の一歩にすぎません。そこから最も有益な数字に注目し、それらを賢く利用する必要があります。そうすることで情報を集めた当初ははっきりしなかった、マーケティングの貴重なインサイトを得る可能性が高くなるのです。
一見しただけではわからないアプリの真実をデータが明らかにした例として、本記事では最近のSnapchatのオーディエンス指標を取り上げます。データ自体はSnapchatに固有のものですが、そこから得られる教訓は、ユーザー獲得や広告キャンペーンを検討しているほかのアプリパブリッシャーにも当てはまります。
エンゲージメントに取り組むなら、背景を知ることが重要
Snapchatのエンゲージメントデータを詳しく見ると、同アプリのユーザーはFacebook、Messenger、およびInstagramを併用している傾向があるなど、いくつかのデータポイントが浮かび上がります。しかし、「オーディエンス独占度」という、ユーザーの嗜好を文脈で評価する指標を掘り下げてみると、興味深いパターンが見えてきます。すなわち、SnapchatユーザーはSnapchatだけを利用していることが多いのです。
例えば以下のグラフを見てください。ある1日に、Snapchatだけを利用するユーザーの割合と、同じ日にWhatsAppも併用するユーザーの割合の差を示したものです。
その差は一目瞭然。ある1日にWhatsAppを利用しないSnapchatユーザーの割合は92%にのぼっています。別の言い方をすると、同じ日にWhatsAppも併用するSnapchatユーザーはわずか8%にすぎません。
これは、SnapchatのオーディエンスがSnapchatに対して忠実度が高いことを意味します。つまり、Snapchatの外から彼らにリーチするには、複数のアプリと連携する必要があり、このことは配信する広告やコンテンツの種類によってはリーチを一層難しくする可能性があります。
Snapchatのオーディエンス独占度に関して、他のソーシャルアプリとの比較結果も見てみましょう。
先ほどはWhatsAppとの比較のみを取り上げましたが、Snapchatは上のグラフのユーザー属性に人気の他のアプリと比べても、高いオーディエンス独占度を維持しています。
- Snapchatユーザーの40%が同じ日にFacebookを利用しない
- Snapchatユーザーの46%が同じ日にInstagramを利用しない
- Snapchatユーザーの63%が同じ日にMessengerを利用しない
- Snapchatユーザーの81%が同じ日にTwitterを利用しない
マーケティングや広告主にとって、このデータは何を意味するでしょうか。この例が示すように、純粋なオーディエンス数だけを見るのでなく、オーディエンス独占度などの指標を考慮に入れることで、求めるオーディエンスにより効果的、効率的にリーチできるようになるのです。
ユーザー属性は必ずしも予想どおりではない
「Snapchatのユーザー属性」と聞けば、おそらく「Z世代」や「ミレニアル世代」などのティーンエイジャーを想像することでしょう。上のグラフで示したとおり、たしかに同アプリは13歳以上の年齢層で高い独占度を示しています。しかし、Snapchatのユーザー属性を詳細に見ると、25~44歳の層にも独占度の高いユーザーが多いことがわかります。
25~44歳の層でFacebookとSnapchatの重複に目を向けると、同じ日にSnapchatだけを利用するユーザーの割合はわずか29%でした。これは13歳以上の年齢層の40%と比べると低いものの、多くの人の予想よりはるかに高い独占度です。
一定の年齢を過ぎた人はSnapchatをあまり使わずFacebookを好む、と多くの人は推測しがちです。しかし、このようなデータを見ると、実際には、FacebookとSnapchatの両方を使っている25~44歳の層でも、同じ日にSnapchatだけを利用するユーザーの割合がきわめて高いことがわかります。
この事実は、データを使って推測を検証することがいかに重要であるかを示す1つの例にすぎません。データを適切にとらえることで、ターゲットにしている質の高いオーディエンスにより効果的、効率的にリーチするためのインサイトが得られるのです。
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2017 M11 27
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