Market Data

コロナ禍によるモバイル習慣の変化により、1日あたりのアプリ消費時間が45%増加

Lexi Sydow

8つの地域の市場でアプリ消費時間が1日あたり4時間以上にのぼり、ロシアとトルコでは2019年に比べて40%以上増加

2020年が特殊な年であったことは明らかで、世界中の人々が特殊な実験に陥ったとも言えるでしょう。そして、人々の暮らしはそれまでの「アナログ」な習慣から 新しい「デジタル」な習慣へと変化しました。

その結果、人々がアプリを使用する時間は劇的に増加しました。しかし、2021年に世界各地でロックダウンが解除されるにつれ、「この新しい習慣は、続いていくのか?」という疑問を持つ方が多いでしょう。

その答えを教えてくれる数字がいよいよ見えてきました。答えは、この新しい習慣は、おそらく続いていくでしょう、です。

App Annieの新しいデータによると、2021年第2四半期におけるアプリ消費時間は、ロックダウン以前(2019年度第2四半期)に比べて大幅に増加しました。その結果、世界のアプリ市場の消費支出は再び最高記録を更新しました。第2四半期の合計額は340億ドルで、2020年第2四半期から約70億ドル増加し、2021年第1四半期からは20億ドル増加しています。

アプリ消費時間で首位を占めたのはブラジルで、2019年第2四半期から2021年第2四半期にかけて30%急増しています。過去12か月において微減したものの、それでも消費者は1日あたり5時間もアプリを使用しています。インドネシアはブラジルとならんで同様アプリ消費時間が5時間を超えるもう一つの国で、過去2年の増加率は35%にのぼります。

最も成長が大きかったという意味では、ロシアとトルコにも注目すべきでしょう。ロシア人は今、2019年第2四半期に比べて45%も長い時間をアプリに費やしており、トルコでは、消費時間が40%も増加しました。

ここから、消費習慣の劇的な変化の恩恵を受け、各地域や国で大ブレイクしたアプリを見てみましょう。

米国ではソーシャル、教育、写真、動画アプリが大量にダウンロードされ、1日あたりのアプリ消費時間はパンデミック前に比べ20%増加

2021年度第2四半期における米国の消費者のアプリ消費時間は4時間弱に達し、2019年度第2四半期に比べると20%も増加しました。米国で大ブレイクした上位のアプリ(前四半期に最も急成長を遂げたアプリ)で注目すべきことは、どれもコロナのワクチン接種や接触追跡とは直接的に関係がないという事実で、これは他の国ではほとんど見られない傾向です。

驚くべきことに、大ブレイクしたアプリでトップを占めたのは、植物の写真を撮るとその名前と情報を教えてくれるPictureThisというアプリでした。中国のGlorityが開発したこのアプリは、ドイツ、フランス、日本でも大ヒットしました。おそらく、この成功の背景にあるのは、パンデミックによってガーデンニングや園芸への興味(英語)が復活したということでしょう。

米国で大ブレイクしたアプリの第2位は、2020年5月にHBO/Warnerが立ち上げた(英語)サブスクリプション型のストリーミングサービスのHBO Maxです。

2021年3月末時点で、 HBO/Warnerの加入者数は米国国内で4420万人(英語)、全世界では6390万人に達しました(既存のHBOケーブル顧客数とMax加入者数の合計は超えていません)。HBO Maxの成功から、サブスクリプション型のテレビモデルの台頭と、そのコンテンツをモバイルで視聴する人が増えていることが確認できるでしょう。

最後に、第5位のPoparazziも注目すべきでしょう。今注目のソーシャルメディアアプリで、その前にブレイクしたClubhouseHousePartyのようなものすごい勢いを見せています。Poparazziは、自称「アンチ自撮りの自撮りクラブ」(英語)です。ユーザーは他人の写真しか撮れず、フィルターの使用も、フォロワー数のカウントも、キャプションも禁止されています。

米国で大ブレイクしたゲームのランキングには、通常通りカジュアルゲームジャンルで人気のゲームがランクインしています。トップにはトルコのディベロッパー、Rollic Gamesが開発した Hair Challengeがランクインしました。このゲームでは、プレイヤーが障害物を避けて進み、報酬として髪の毛を伸ばしたり染めたりすることができます。2021年第1四半期に大ヒットしたHigh Heelsに似た女性向けのゲームです。

コロナ関連アプリがEMEAアプリ市場を独占

EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)主要国の消費者のアプリ消費時間は、2021年第2四半期までの2年間で約30%以上増加しました。しかし、これらの国の平均消費時間は、全体で見れば少ない方だと言えるでしょう。例えば、フランスとドイツの消費者のアプリ消費時間は1日あたり3時間ほどで、App Annieが調査している16地域の中で、それぞれ14位と15位に位置しています。EMEA諸国で大ブレイクした主要アプリを見ると、情報収集、ワクチン接種、接触追跡を扱うパンデミック関連のアプリが上位を占めています。

英国、ドイツ、フランスの上位2位のアプリはすべてこのカテゴリーに当てはまります。ドイツで1位のアプリCovPassは、新型コロナワクチン接種済みの電子パスを発行する新しい種類のアプリです。ドイツの人々はこのアプリを使って、ワクチン摂取証明を要求する飲食店や博物館に入場する際に簡単に証明証を提示できます。もう1つ興味深い事例は、フランスで2番目に大ブレイクしたViteMaDoseです。ワクチン接種枠に空きのある地元の医院を探すのに便利なアプリで、政府が提供している公式アプリのように見えますが、実際には25歳のコンピューターエンジニア(英語)、ギヨーム・ロジエが開発しています。ロシアでブレイクしたアプリのチャートを見ると、eスクーターへの消費者の興味が強まったことがわかります。ロシア人はおそらく、大都市の交通渋滞を避けるための手段としてeスクーターに飛びついたのでしょう。(英語)ロシア市場では、WhooshとUrentというロシアのスタートアップ2社がシェアの大半を占め、この2社のアプリがそれぞれ大ブレイクアプリの1位と3位にランクインしています。一方で、ゲームアプリを見ると、英国、ドイツ、フランスでの人気ゲームはHair Challengeでした(米国のセクションを参照)。もう一つの注目すべきゲームは英国、フランス、ロシアで2位になったSupersonic's Bridge Raceです。

アジア太平洋地域では、二ノ国:Cross Worldsが日本と韓国でダウンロード数ランキング1位に

2021年第2四半期現在、アジア太平洋地域の人々は一番熱心にモバイルを利用していると言えるでしょう。アプリ消費時間の順位で見ると、インドネシア人は1日当たり5時間を超えて2位、韓国人は1日当たり5時間弱で4位、日本人は4.5時間で7位にランクインしています。

アジア太平洋地域で最も人気があった新作アプリは、Google ClassroomFast Cleanerなどのユーティリティアプリ、McDonald's Chinaのようなフードデリバリー、SmartNewsのようなニュースアプリと多岐にわたります。

日本のユーザには、簡単に印刷できたり、モバイルファイルからPDFファイルを作成できるかんたんnetprintが人気でした。一方、韓国では、急成長しているお茶チェーン店Gong Chaの公式アプリがヒットしました。

中国で一番人気のあるアプリは、National Anti-Fraud Centerです。これは、Study Xiというアプリで多発していた詐欺を防止するために(英語)公安部が開発したアプリです。Study Xiは、最高指導者の教えを反映した製品ですが、犯罪者がこのアプリを乗っ取り、ユーザーから金銭をだまし取ったり盗んだりしていたという経緯があります。

アジア太平洋地域において、前四半期に最も注目を浴びたゲームは、確実に二ノ国:Cross Worldsであったと言えるでしょう。このアプリは、6月に発売され(英語)、日本と韓国の大ブレイクアプリランキングで首位に立ちました。二ノ国は、ジブリ風のロールプレイゲームで、2010年にはニンテンドーDS用のゲームソフトとして第1弾が公開されています。中国でトップの方にランクインしたゲームアプリは、2008年に公開された大人気のブラウザゲームを基にTaomee Entertainmentが製作したMole’s Worldでした。2021年第2四半期における人気アプリの詳細と地域間のパフォーマンスの比較については、App Annieの2021年第2四半期 トップ非ゲーム・ゲームアプリランキングをご覧ください。

 

本レポートでカバーされているコンテンツ一覧:

ダウンロード数や消費支出などの主要指標で見たアプリとゲームランキング
今話題の非ゲーム・ゲームアプリ: ダウンロード数、消費者支出、MAU別にブレイクアウトしたアプリを紹介
グローバルビュー:2021年第2四半期にチャート上位にランクインした非ゲームやゲームアプリを8カ国、3地域でご紹介

 

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2021 M07 19

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