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「若年層理解 〜 新規事業をモバイルから考える」をテーマにオンラインワークショップを実施

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弊社として初の試みであるオンラインワークショップを8月下旬に実施致しましたので、レポートを記載します。

企画背景

  1. コロナ禍の中で当社も他企業同様に、様々なテーマのウェビナーを実施してきました。その中で、当社の大事なお客様や日頃から会話を密にさせて頂いている企業様に寄り添い、クローズドの中で濃い内容のインサイト提供、ネットワーキング機会の提供を模索していました。
  2. 2019年8月下旬にもクローズドなワークショップ(顧客エンゲージメントをテーマにしたワークショップ)を実施しており、参加者から反応が良かったので、改めて企画・実施したいと考えていました。
  3. 当社から2020年上半期のモバイル市場振り返りレポートが出るタイミングでもあったため、この内容を上記1つ目のお客様の関心事項に即し、更に掘り下げた内容にカスタマイズしたものを提供したい想いがありました。

上記を背景に、当社として初の試みとなるオンラインでのワークショップを実施することとなりました。

実施内容

今回は「若年層理解 〜 新規事業をモバイルから考える」をテーマに、日本を代表する大手企業の皆様と、若年層向けにサービスを展開する企業の皆様をミックスさせる形でワークショップを実施しました。

以前からの5G・IoTの流れ、海外企業の日本市場への参入などに加え、昨今の急激なテレワークの加速、オンラインによる消費加速もあり、生活者とのタッチポイントはますますスマートフォンが起点になっていくことは誰もが疑わない状況です。特にGeneration Zと呼ばれる若年層(16〜24歳)の関心や行動を理解し、適した商品企画、マーケティング、新規事業立案を行う事は、多くの企業にとって重要なテーマになっています。

当社としては「モバイルのチカラを全ての企業に」をモットーに、モバイルを主戦場としているアプリパブリッシャーだけではなく、旧来から日本を、そして我々の生活を支えてきた大手日系企業のチカラにもなりたいと考えております。今回は非常に面白い企業組み合わせになりました。

 

参加企業

合計9社、12名の皆様にご参加頂きました。

当日のアジェンダ

  • オープニング〜参加企業紹介
  • App Annieより最新モバイルトレンド紹介(2020年上半期 / 日本の若年層にフォーカス)
  • グループワーク(バーチャルルームに別れ、テーマ毎に議論〜アイデアまとめ)
  • 各グループ発表
  • ネットワーキング(バーチャルルームを用意し、各チームで別れたり、他ルームへ混ざったり)

最初に、日本事業責任者の上村より、2020年上半期の日本の最新状況を紹介しました。今回のコロナ影響により全世界的にもモバイル利用は大きく飛躍している点を当社レポートより発表していますが、今回は特に日本の若年層(16〜24歳)と25〜44歳のスマホ世代を比較する形式で、各ジャンルを掘り下げた内容を紹介致しました。若年層の成長率は25〜44歳比較で、月間アクティブユーザー数は2倍、アプリ総利用時間でも2.7倍の成長に至りました。

(本レポートは非公開になっていますが、当社担当より勉強会形式にてご提供可能ですので、詳細はお問い合わせください

その後、3チーム(4名/チーム)に分かれてグループワークを実施しました。与えられたテーマ(新規事業 - 新製品 or サービス)の担当として、以下を議論してアイデアを出すという内容です。

  • 目指すべき方向性(ニーズとマッチしているか、変えた方が良いか)
  • どのようなターゲット層へリーチするか、取り込むアプローチ
  • 競合他社への離反を抑え、自社製品/サービスへのエンゲージメントを強くするための方法

テーマ

  • チームA:スマートスピーカー
  • チームB:スマホで作成する年賀状
  • チームC:若年層向けのスマートフォン(デバイス開発)

いずれも若年層の取り込みが課題となっている製品やサービスです。

スマートスピーカーは、30代Dinks層やファミリー層を中心に浸透しており、特に小さい子供がいる親には手が離せない(塞がっている)中での音声操作は喜ばれています。ただ、GenZ世代にどのように浸透させ、利用促進していくかは課題です。

スマホで作成する年賀状は、そもそも年賀状をはじめ、印刷するという行為が少ないGenZ世代にどのように浸透させていくかが課題です。年賀状に固執せずに、違うビジネスモデル・マネタイズも模索した方が良いという点もあります。

スマートフォンのデバイス開発に関しては、日本はiPhoneシェアが高い一方で、海外勢(Galaxy, Hauwei, OPPOなど)のシェアが高くなる中で、どのようなデバイスが若年層に求められているのか、差別化していくと良いのかが課題です。

 

グループワークの発表では各チームから興味深い視点も出てきました。実際に若年層向けサービス(コミュニティ運営)を行っている企業の方からは以下のようなコメント、示唆も頂きました。

 

  • 若年層というのはスマホをずっと付けっぱなしが当たり前の世代。例えば、LINE通話を72時間ずっと付けっぱなし、位置情報共有サービスのZenly(ゼンリー)で友達同士の位置を共有しっぱなしで、その情報を元に「いま誘っても良いか、いま声をかけても良いタイミングか判断する」ことが普通。
  • リアルな知り合いより、バーチャルの知り合いが圧倒的に多い。会ったことも無いし、名前も素性も知らない、ただ、何に興味関心があるか、何に強みや知識があるか、自分と似たような人かはバーチャルの繋がりでも分かる。興味関心が同じ仲間でコミュニティが形成されている。mixi時代もコミュニティはあったが、それが更に発展しているイメージで、スマホを介してリアルタイムに行われている。
  • バーチャルから繋がりを模索し、その後リアル(オンライン会話でもOK)で実際に触れ合うと、距離感が一気に加速する。だから、リアルには勝てない。
  • 若年層にとっては、お金より、人間関係が良好であることが一番大事という大前提がある。

 

App Annie社員も含め、参加した企業の皆様には新鮮な感覚でした。

グループワークの前に紹介した若年層のモバイル利用トレンドを振り返っても、GenZ世代のモバイル利用状況は、25〜44歳世代と比較して大きな違いが確認できており、改めて「思い込みを排除して、データから正しく見る習慣(ファクトフルネス)は大事」だというフィードバックもあり、参加された皆様に新たな示唆、ヒントを享受頂くことができました。

 

グループワークの後は、参加者同士の雑談ネットワーキングを1時間程度行いました。おそらくこのような場を作らない限り出逢わないだろう組み合わせで、参加した皆様からは「コロナ禍の影響でなかなか他社の方と触れ合う機会が無い中で、このような機会は面白かった」と好評フィードバックを頂くことができました。多忙な中で参加頂いた企業の皆様にとって少しでも有意義な時間、ネットワーキングの機会になったことは当社としても光栄です。

 

今回は当社としても初のオンラインワークショップの試みで、至らない点、改善点も見つけることが出来ました。それらを踏まえ、引き続きバージョンアップしたワークショップや違うオンライン企画を検討していきます。

 

App Annie は、あらゆる業界で日々表面化している消費者行動の変化についてデータからのインサイトを提供し、貴社のモバイルビジネスの改善をご支援します。以下からご相談ください。

2020 M09 3

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