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日本は世界の一地域。世界でヒットを続けるバンダイナムコのベンチマークとは

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地域に合うローカライズの結果、世界で愛された『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』

App Annie Top Publisher Awards 2018のGLOBAL TOP52において、4位にランクインしたバンダイナムコグループ。そこに大きく貢献したゲームアプリ『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』は、国内外で高い評価を受けています。同アプリのパブリッシャーである株式会社バンダイナムコエンターテインメント取締役の金野 徹氏に、2018年の振り返りと2019年の抱負について、App Annie Japanの向井俊介が伺いました。

2018年は積み重ねが結果に。海外展開も学びながらの快挙

向井:貴社はTop Publisher Awards 2018のGLOBAL TOP52中、世界4位・日本1位にランクインされました。感想をお聞かせいただけますか?

金野:嬉しいですね。当社はタイトル数が多いのですが、その一つ一つがユーザーに受け入れられてきたことが結果に結び付いたのではないかと思います。

向井:貴社にとっての2018年は、どのような1年でしたか?

金野:2018年は数年前と比べて競争が激化しており、「これまでのやり方の延長線上では厳しい」という実感がありましたが、『ドラゴンボール レジェンズ』をはじめ、複数の新作タイトルを出すことで会社としては非常にいいポートフォリオを描けたと思います。モバイルゲーム市場は飽和が進んでいて、簡単な市場ではありませんが、今後も新しいタイトルを手掛けていきたいです。

向井:2018年に特に困難だったことはありますか?

金野:一番難しかったのは海外展開ですね。例えば、CMひとつとっても言語や時差、文化など様々な課題があります。ここ3年ほど海外展開には特に注力していますが、全般的にまだ手探りなんです。当社では家庭用タイトルでの海外展開の前例があるので、それを成功モデルとして参考にしています。本当に「学びながらやっている」という感じですね。

 

ライフスタイルや市場の変化もむしろチャンス。常にユーザー視点で前進

向井:『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』は長期タイトルかつ海外でも人気ですが、ロングタームで運営していく際に意識していることや方針はありますか?

金野:当たり前の話かもしれませんが、継続率を意識しています。目の前の売り上げに一喜一憂せず、「お客様に長く楽しんでいただくためにはどうするか」というところが一番大事だと思います。

向井:上記アプリをはじめ様々な国でサービスを展開されていますが、ローカライズやリリースの優先順位づけはどのように判断していますか?

金野:現地のIPの受容性をベンチマークにしています。確かに日本は段取りしやすいのですが、あくまで世界の一地域として捉えていますね。「このタイトルが一番受け入れられるのはどこか」という点を軸に展開しています。

向井:昨今のユーザーのライフスタイルの変化や多様性に対して、どのように対応されていますか?

金野:当社は2015年に【バンダイナムコゲームス】から【バンダイナムコエンターテインメント】に社名変更し、ゲームだけではなく多様化するエンターテインメントにも広くアプローチできるようになりました。そのため、例えばモバイルゲームのビジネスであっても「キャラクターやIPの最新情報を得るメディア」としてのゲームを楽しんでもらう、だとか、ゲームに閉じない試みができればと思っています

向井:当社では、今後世界的に動画を始めとする非ゲームジャンルへの課金が増えると予想しています。ゲームを中心に展開している貴社においての今後のビジネスについて、どうお考えでしょうか?

金野:確かに非ゲームのジャンルが伸びて、ゲームのシェア率は相対的には下がることもあるのかなとは感じています。ただ、当社は軸足としてのゲームを大事にしてはいますが、グループ内では音楽や映像も手掛けていますので、むしろチャンスが広がるとも考えられますね。

 

密なグループ間連携で、多様化するニーズに合うタイトルを

向井:今後のデジタル領域とリアル領域との接点については、どのようにお考えですか?

金野:グループ内には、アミューズメント施設なども含めてリアル領域への展開先が多くあるので、いろんな遊び方の中にデジタルを盛り込んでいければと思っています。グループ間での連携も自然に行われているので、このようにいろんな面で様々な魅力を打ち出せるのがバンダイナムコグループのいいところですね。

向井:リアル領域での今後の展望についてお聞かせください。

金野:アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズにて、横須賀で開催したファンイベントをアプリ内で生配信して、アプリユーザーの方々にも一緒に楽しんでいただくサービスを実施しました。そのような事例も増やしていきたいと考えています。

向井:グループ全体における貴社のプレゼンスはますます高まっているかと思いますが、グループ間の連携はどのように行っていますか?

金野:ネットワーク領域での技術的な経験やノウハウをハブとして、当社からもグループ各社に積極的に働きかけています。経営層から現場担当まで、各社がいろんなレイヤーでつながっており、IPというひとつの商材を様々なステージで出していく、ということを行っているので、日々の業務として自然に連携していますね。「お客さんにとって一番いいのは何か」という点を重視して、当たり前にリソースを出し合い、より良いサービスを作ろうとしています。

向井:2019年の目標や方針を教えてください。

金野:エンターテインメント業界全般の売り上げは、景気に左右されにくいものと思っていますので、ロングセラータイトルだけに力を入れるのではなく、ユーザーの多様化による様々なニーズに応えて今後も多くのタイトルを手掛けていきたいです。海外進出についても、ゲーム自体の良さに頼った単純なローカライズではなく、それぞれの地域に合ったものを出していきたいですね。

2019 M03 4

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