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Top Publisher Award 受賞インタビュー:バンダイナムコエンターテインメント

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年々、競争が激化するアプリ市場で、3年連続日本企業のトップを飾るバンダイナムコグループ。変化する市場、消費動向を捉えながら、包括的にIPを活かしたエンターテインメントの創造にどのように取り組んでいるのか、お話をお伺いしました。

 アプリ市場の成長に大きく貢献したアプリパブリッシャー(アプリ提供企業)を選出する『Level Up Top Publisher Award 2021』。これはApp Annieが提供するモバイル市場データ「App Annie Intelligence」における2020年1月~12月までの収益・ダウンロードなどのデータを基に、全世界の企業のトップ52社を発表・表彰するものです。52社という数字はトランプカードの枚数にちなんでいます。

 本アワードで6位にランクインしたのがバンダイナムコグループで、3年連続日本企業のトップを飾っています。コロナ禍での今後のゲーム市場やデータ活用の展望について、株式会社バンダイナムコエンターテインメント 取締役 金野 徹様より(以下敬称略)にお話を伺いました。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント 取締役 金野 徹 様

 

ーーー今回弊社が主催する『Top Publisher Award 2021』にて、貴社はGlobal Top 52の中で6位にランクインされました。おめでとうございます。

 

金野:ありがとうございます。大変光栄に思っております。世界中のお客様に受け入れられている証ですので本当にありがたく思っていますが、一方でなかなかTop 3に入れていないのも事実です。社会現象的な大ヒットを出していないという裏返しでもあるかと思いますので、今後も一層精進していきたいと思っております。

 

ーーー2020年は貴社にとってどのような一年でしたか?

 

金野:やはり新型コロナウイルスの様々な影響にどう対応していくかという点で、非常に悩ましい一年でした。具体的にはオフラインのイベント、さらには開発運営のあり方など、お客様から見えるところでも見えないところでも試行錯誤を重ねた一年でした。

ーーー貴社は2020年モバイルビジネスにおいて大きくまた成長をされたと感じておりますが、昨年を振り返っての成功要因を教えていただくことは可能でしょうか?

 

金野:業績的な成功要因は、やはり既存の大型タイトルが変わらずお客様のご支持を頂けたというところが大きいと思っています。コロナ禍ではあっても、運営企画のストーリーを立て、短期的な結果に一喜一憂せず、いかに長く遊んでいただくかというところに注力して運営できたのがいい結果になったのではと思っております。弊社は、世界でも有数の、タイトル数が多いパブリッシャーであるかと思いますが、決して数だけで成り立っているのではなく、コンセプトやパフォーマンスの異なる様々なタイトルを、お客様がそれぞれ楽しんでくださっているというという自負がございます。今後も特定のひとつのタイトルに頼らず、多様性とクオリティを掛け算していくことで、お客様に喜んでいただければと考えております。「ドラゴンボール レジェンズ」

©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 

ーーー海外展開という観点において、2020年における成功要因は、結果も踏まえてどこにあると捉えられていますか?

 

金野:弊社は、スペイン、アメリカなどにも拠点がありますが、担当者の往来が昨年は難しく、また、オフラインのイベントも軒並み中止になりました。担当者同士も会えない、お客様にも会えないという状況の中で、何を今するべきかを考えた結果、原点に立ち返り、より丁寧な顧客理解と情報発信を行った一年でした。昨年実施した様々な取り組みは、今後に活きてくると思いますので、オンラインとオフラインをうまく組み合わせたハイブリッドなやり方を、今後も、特に海外に関しては行っていきたいと思っています。

 

ーーー一方で今の日本市場での中華系企業の躍進は毎年言われていますが、ますます競争が激しくなっている市場をどのように見られていますか?

 

金野:日本のマーケットにおいて、海外企業の新規タイトルが続々と増えてきていることは認識しています。競争相手が増えているので大変な部分もありますが、しかし業界全体を広い目で見れば、お客様の選択肢が増えていると言えるため、悪いことではないと思っています。一方で既存タイトルを変わらずご支持頂いているのも事実であり、我々としては新作も取り組みつつ、いかに長期運営しているタイトルの既存のお客様に喜んでいただけるかも、重要だと考えています。また、弊社にはIPを活用したタイトルが多いため、各IPやタイトルごとのお客様への理解を進めることでより楽しんで頂けるコンテンツを作ることに最近は特に力を入れています。ゲームだけではなく様々な商品やサービスを提供し、ファンの方にIPの魅力を届けることができるという、バンダイナムコグループならではの強みを活かした、お客様との接点を増やすための戦略もより強化していきますので、そのようなところで他社様と競争していければと思っています。

「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」

 

ーーー新型コロナウイルスの影響もあり、国内外の生活者の行動が2020年は大きく変わりましたが、それをどのように捉えられていますか?

 

金野:巣ごもり需要とも言われていますが、ゲームをはじめとしたデジタルエンターテインメントの需要が伸びていることは事実です。このような状況下の中で、我々のゲームによって、少しでも生活が豊かになっているのであれば、本当に嬉しいと率直に思っています。やはりリアルでの接点が難しいご時世ではあるので、オンラインならではのコミュニケーションは積極的に行っていきたいです。コロナ前の生活にはすぐには戻れないと思いますので、今の状況でできること、今の状況ならではのお客様に喜んでもらえることの理解、実践を愚直に行うしかないでしょう。

 

ーーー年々、カジュアルゲームの台頭が目立ちますが、貴社としてはカジュアルゲームをどのように見られていますか?

 

金野:今のモバイルゲーム市場においては、北米を中心としたカジュアルゲーム市場の成長が全体成長を支えている、というように理解しています。その一方で、マルチプラットフォーム型の超大型ゲームや、多人数リアルタイム型など、大規模とカジュアルの二極化が進み、お客様のニーズもかなり多岐に渡ってきているという認識です。中庸なものではなく、この二極化にどう対応していくかが勝負だと考えているため、バルセロナに設立したBANDAI NAMCO Mobileでは、お目見えするのはもう少し先になりそうですが、日本とは異なるコンセプトのゲーム開発をするなど、多様化したお客様のニーズの半歩先ぐらいを常に捉えるための取り組みをグローバルで行っています。

 

ーーーApp Annieのデータ含め、今現在データをどのように利用されていますか?

 

金野:従来のバンダイナムコは比較的、経験や熱量を重視したゲーム作りを行いがちなところがありましたが、最近は、お客様の行動分析・予測と未来のポテンシャル予測などにデータを活用するようになりました。IPファンのお客様は、ゲーム以外の生活動線の中でも様々な形でIPに触れられていますので、当社グループならではの、ゲームだけではない、IPごとの横断分析のようなことも始めています。エンターテインメントという分野において、ひらめきや勘も全く否定しませんが、データ活用をうまく加えることで成功の確率をあげたり、成功の再現性を高めたりしていければと今取り組み始めています。

 

ーーー弊社で新しくゲームを分類し分析できる「Game IQ」という製品を新たにリリースしました。貴社ではどのように活用されていますか?

 

金野:ゲーム開発が大規模化していく中で、投資の正当性により力を入れていく必要が増しており、「Game IQ」によってジャンル別に分析ができるようになることは非常に有効です。具体的に弊社では、お客様が並行して遊んでいるタイトルは何であるか、同じようなジャンルのタイトルにおけるターゲット顧客分析、成功要因分析等に使わせていただいています。今後のタイトル開発において、何十億という投資の裏付けにデータを使っていきたいと考えていますので、「Game IQ」の仕組みは大変重宝しております。

 

ーーーありがとうございます。最後になりますが、2021年以降のゲームの今後の展望、また貴社として目指していくビジョンについて教えていただけますか?

 

金野:モバイルゲームに関して申し上げれば、案件の大型化や高度化は避けられないと思っています。案件を厳選しそれにかけられるリソースを集中させて、エモーショナルなアプローチも行いつつ、データドリブンな考えも組み合わせて、いかに成功の確率を高めていくか、比較的正攻法で愚直に取り組んでいくしかないと思っています。一方、バンダイナムコはモバイルゲームだけの会社ではなく、様々な出口を持っているのが特徴であり、そのバンダイナムコらしさも武器にして戦っていくつもりです。世界中を見渡してもIPをデジタルとフィジカルで総合的にプロデュースできる会社というのは我々固有の強みではないでしょうか。IPに触れるメディアのような役割としてのゲームも楽しんでいただきたいですし、IPが総合的に盛り上がることでゲームも新しいお客様に触れていただければ嬉しいと思っています。

 

 

 

 

2021 M03 3

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