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フィンテックと仮想通貨に見る、ファイナンスアプリ市場の激変

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改正銀行法、フィンテックや仮想通貨の登場によってめまぐるしく変化するファイナンスアプリ市場のトレンドについてご紹介します。

小売などでバズワード化した「オムニチャネル」同様に、金融界隈では「フィンテック」が2017年に一気に広まりました。2017年前半は改正銀行法の成立により銀行は過去のビジネスに囚われず、オープンイノベーションという名の下に、組織の新設や社内外での新たな取り組みが加速した一年でした。一方で2017年後半は仮想通貨が一気に世間の注目を集め、仮想通貨売買の熱狂に留まらず新規に仮想通貨を公開して資金調達を行うICO(新規仮想通貨公開)にも注目が集まりました。

新たに誕生した仮想通貨アプリというジャンル

2017年のファイナンスカテゴリのモバイルアプリは、iOSとGooglePlay合計の前年比で30%を超えるダウンロード数を記録していますが、ランキングの顔ぶれも1年間を通して大きく変動しています。2015年頃から2017年初頭頃までは家計簿や資産整理のアプリの露出が目立ち、2017年1月にマネーフォワードがテレビCMを実施していたりしました。一方で2017年12月には「仮想通貨アプリ」という新たなジャンルが誕生しており、Coincheckがこの時期にテレビCMを実施していました。

そして、各マーケットでの仮想通貨取引所の誕生と盛り上がりにより、国によって利用される仮想通貨アプリにも違いが見えています。日本ではCoincheckbitFlyer Walletのユーザー数が伸びている一方で、大手のDMMGMOが仮想通貨に参入して一部から利用が始まっています。世界に目を向けると各国での仮想通貨アプリの違いも見えてきます。米国ではCoinbaseが、欧米ではBlockfolioBlockchainがアプリ経由の取引を牽引している状況です。そのような中で一部の熱狂的な仮想通貨ファンやトレーダーに人気が出ているのが中国の取引所Binanceで、様々な国でダウンロードされ利用されていることがアプリ市場データから見えてきています。

App Annie Intellegenceでは「Aというアプリを利用している人は他にどのようなアプリを一緒に利用している傾向が強いか」というアプリ重複利用傾向が分かります。実際にbitFlyer Walletを見てみると、ファイナンス系アプリでは株式や為替取引アプリの他に、バンドルカード住信SBIネット銀行のアプリが重複傾向で上位に入ってきています。

バンドルカードは誰でもすぐにインターネットでショッピングができるカードアプリとして、2016年9月にアプリリリースされました。Visaの加盟店で支払いができるVisaプリペイドカードとして若年層を中心に広がりを見せています。バンドルカードへのチャージとしてコンビニだけでなく、仮想通貨ビットコインからのチャージも可能のため、銀行への出金の代わりにバンドルカードが利用されている可能性も考えられます。

バンキングアプリの動向

金融機関は、変化していく市場と顧客のニーズに効果的に応えるために、機能の拡充が求められています。「住信SBIネット銀行」アプリはそのような対応を行なっているアプリのひとつです。仮想通貨取引所への出入金には複数のオプションがありますが、銀行系では複数銀行の中で住信SBIネット銀行も案内されています。銀行選択としての優先順位は既に口座を持っているか、金融機関側での振込作業および仮想通貨取引所での入金確認にかかる時間の早さ=反映時間が早く取引が可能かが視点になります。この点において以前より株やFXを行なっている人々の中には住信SBIネット銀行に口座を持っている層が多く、資金移動がしやすい側面が考えられます。一方で新たに仮想通貨へ参入してきた層にとっても、資金の出し入れ先として同銀行が選ばれた可能性があります。実際に住信SBIネット銀行の新規ダウンロード数は2017年11月〜2018年1月にかけて盛り上がりを見せています。

冒頭のファイナンスアプリランキングの1月・12月比較でも分かるように、ファイナンス系アプリ市場はグローバルトレンドの加速とともに目まぐるしい変化を遂げているため、関連企業や投資家には継続的なモニタリングが求められています。

App Annieでは世界中のモバイルアプリ市場のデータをトラッキングし、事業戦略や投資、マーケティング活動に役立てる情報を提供しております。仮想通貨・株式・FX市場の変化や影響などにつきましてもご興味のある方はお問い合わせください。

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2018 M03 2

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