現在のアプリビジネスにおいて、アプリストアページはユーザーがアプリに触れる入り口となっています。StoreMavenのミッションは、貴社のアプリが適切なユーザー層に発見され、インストールされる手助けをすることです。
しかし、アプリストアページを訪れる大多数の人は、ページを去り、アプリをインストールしないことを選びます。訪れる人の大半がアプリをインストールするかしないかを約3秒で決定し、ほとんどの場合、スクリーンショット2枚とアイコンが1つ、そしてアプリの名前だけで彼らを説得しなければなりません。
このようなデータは、アプリストアページを最適化し、コンバージョンを改善する上で不可欠にも関わらず、Google PlayやiOS App Storeには欠けていることに我々は気がつきました。2014年、我々の前身であるゲーム会社は、広告によるトラフィックも自然検索によるトラフィックもダウンロードにつながらないという問題がありました。ストアページには、Google AnalyticsやOptimizelyといった使い慣れたウェブツールのようなものがないため、行動データを入手しA/Bテストを実施するには、各アプリストアのコピーバージョンを作成して、複数のバリエーションに代表的サンプルとなる量を送り込むしかないと考えました。
事前のテストがより良い結果を生む理由
2年間のテストを経て、1億2000万を超す訪問者を我々のストアページに迎えた結果、我々はテストを実施することのあらゆる潜在的メリットを把握すると同時に、テストを低コストで維持することの難しさを知りました。
StoreMavenでは、必要なサンプルサイズを従来のA/Bテストに比べて30~50%抑える予測試験アルゴリズムStoreIQを用いることで、低コストを維持しています。4つのバリエーションを用いる平均的なテストなら、サンプル数は1500、コストは1500~4000ドルで実施できます。テストの総コストを決定づける要素としては、テスト全体のコンバージョン率(CVR)、クリック単価、そして最も重要な要素として、代案となるアプリストアページの対照群に対するCVRの向上が挙げられます。ストアのコンバージョン率に実際に効果を及ぼしうるテストのデザインについて、ヒントをこちらで紹介しています。
アプリのユーザーの生涯価値(LTV)にもよりますが、テスト実施のコストは短期間で回収できます。というのも、テスト1回あたりの潜在的な平均増加率は15~45%の範囲にあり、アプリの成長率がかなり後押しされるからです。それ以上の増加を達成する企業もあります。たとえば、私たちが最近Kabamに協力し、同社のクリエイティブのテストと最適化を実施したところ、最終的にインストールのコンバージョン率が66%改善しました。
強力なASO戦略はキーワードにとどまらない
自社アプリの成長のためにアプリストア最適化(ASO)に目を向けた人は、キーワードの最適化が効果的な武器であることに気がつくでしょう。iOSとGoogle Playの両ストアには非常に多くのアプリがひしめいており、検索結果で上位に表示されることはますます難しくなっています。トップチャートに入るのが困難なのは言うまでもありません。キーワード戦略は、アプリストアの検索結果とランキングにおいて見つかりやすさを改善することを通じ、よりオーガニックな成長を達成するのに役立ちます。勝算を高め、将来性を最大化するためには、検索されていて、競争が激しくなく、ランキングの向上に役立つキーワードを見つけ出すことが重要です。時間が経過すると、最適化の取り組みの途中段階でも、新しいキーワードをテストしたくなります。
しかし、訪問者が最終的にアプリをインストールしないなら、どれだけ大勢がアプリストアページを訪れても意味がありません。訪問者数よりも、アプリのストアページで質が高いダウンロードの数が増えるように最適化することが重要です。そのためには、テストを繰り返して、アプリストアで最高のパフォーマンスをもたらすクリエイティブを見つけ出すことが急務なのです。
ASOのプロは、キーワード最適化とクリエイティブ最適化にまとめてアプローチしますが、それはこの2つがさまざまな点で重なっているからです。たとえば、素晴らしいアイコンを使い最初に見られるスクリーンショットに強力なメッセージを込めれば、検索結果におけるディスカバラビリティとアプリページでのパフォーマンスに多大な効果があります。同様に、最初のスクリーンショット上のキャプションとアプリが強いキーワードとをマッチさせることで、オーガニックなダウンロードの数を増やすことができます。
アプリストアページはアプリのオンボーディングの第一歩
アプリページは、アプリに慣れてもらうオンボーディングの中核です。アプリページで打ち出すメッセージは、高いコンバージョン率をもたらすものであると同時に、アプリ体験がもたらすものを正しく期待させるものにするべきです。アプリへの期待に胸を躍らせ、かつ機能を把握した人に確実にインストールしてもらうには、これが最良の方法です。
アプリページ最適化とはつまり、素晴らしい第一印象を確実に与えられるようにすることです。ストアページに到達したユーザーは全員が、最初に視界に入るもの、たとえばアプリのアイコン、アプリ名、スクリーンショットの最初の2点などに目をやります。ここで見たものが気に入らなかったら、すぐに離れてしまいます。逆に、見たものが気に入ったら、すぐにアプリをインストールするか、アプリストアの他の要素を吟味するかしてくれます。私たちはこうした熱心なユーザーを「探検家」と呼んでいます。アプリストア最適化に関するApp Annieのプレイブックでは、さらに詳しく学べます。
第一印象はiOSとGoogle Playで変わる
アプリストアページを訪れてスクリーンショットギャラリーを最後までスクロールする人は33%未満です。それでも、インストールする人の50%は最後までスクロールしているので、スクリーンショットに力を入れることはやはり重要なのです。
スクリーンショットのスタイルの傾向は時とともに移り変わりますが、変わらないことが1つあります。それは、提供価値をさまざまな形で確実に伝えることです。当然、時間をかけてスクリーンショットを最後までスクロールする訪問者は、アプリについてさらに詳しく知りたがります。もし目にするものが、似たような内容の繰り返しだったり、あいまいだったり、興味をそそらなかったりしたら、別の検索に進んでしまうかもしれません。最良のアプリストアページは、好奇心を刺激し、アプリをインストールせずにはいられないさまざまな理由を提示します。とはいえ、メッセージを一度に詰め込みすぎるのは避けてください。散らかったページは、あいまいすぎるページと同様に嫌われます。メッセージは常に、焦点がはっきりした、簡潔なものであるべきです。
アプリストアのページを熱心に見て回るユーザーをエンゲージする最良の方法は何でしょうか? 私たちの経験では、動画は効果が高く、最適化に取り組む価値があることがわかっています。
離脱する人: インストールする人:
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上の画像は、iOSの場合の動画とギャラリーに対するエンゲージメントのレベルを表しています。色の濃さがエンゲージメントの高さを示しています。
動画があるだけで、コンバージョン率が20~35%の範囲で増減する可能性があります。動画が、適切な提供が最も難しい要素なのは間違いありません。理由の1つは制作コストですが、(iOSの場合に)それ以上に重要なのは、適切な画像サムネイル(ポスターフレーム)の選択があるからです。Appleはパブリッシャーに動画のフレームからサムネイルを選ぶよう求めています。これが1枚目のスクリーンショットになるため、動画を最終的に仕上げる前の段階から、サムネイルをテストして最適なものを見つけることが重要です。
我々が目にする動画コンテンツで最もありがちなミスは、順序立ててストーリーを語り、動画の最後でようやくアプリの中核となる提供価値を明かすというものです。ユーザーは5秒ごとに10%ずつ脱落していくのだから、最も強いメッセージは最初に提示するようにするべきです。訪問者はすぐに判断したいものなので、マーケターが提供する情報は、刺激的な、しかし同時にわかりやすい形になっている必要があります。動画内とギャラリーにテキストキャプションを添えることは、ビジュアルに文脈を与え、同時にコンバージョンを高める素晴らしい方法です。
次回の寄稿では、Google PlayとiOS App Storeの相違点、クリエイティブ資産テスト戦略にアプローチする方法、iOS App Storeへの変更がASO戦略にもたらし得る意味について取り上げる予定です。
アプリストア最適化についてさらに詳しく知りたいですか?App AnnieのASO Playbookを今すぐダウンロードしましょう。
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アダム・ラキブ氏はStoreMavenの共同設立者。StoreMavenのプラットフォームは、アプリストアのさまざまなクリエイティブをテストし、iOS App StoreとGoogle Playにおけるユーザー行動を分析することにより、開発者がインストール率を改善しCPIを低減するのを支援しています。 |