背景
生活用品や衣料品を扱う日本の人気小売店舗、無印良品のMUJI passportは店舗やオンラインストアで使えるポイントや商品の割引をアプリユーザーに提供しており、買い物をしたり、店舗でアプリを使ったりすることで、ポイントを貯めることが出来ます。また、このアプリでは、店舗の在庫を調べたり、商品を受け取るために最も近い店舗を見つけたり、ネットストアと連動して商品を購入をすることも出来ます。
ポイント還元のシステムはその成果を示し始めています。MUJI passportは日本で最も人気のショッピングアプリの一つとなっており、無印良品の小売店舗での売上の約40%は、アプリが関与した売上となっています。アプリは中国、香港、韓国、台湾にも展開をしており、無印良品の店舗がある他の国でも利用可能となる予定です。
課題
リリース以来順調に成長を続けてきたMUJI passportですが、その過程においては課題や疑問もあったといいます。「他社と比べたときの成長率がどうなのかというのを知る必要があると感じていました」と良品計画WEB事業部長の川名氏は語ります「顧客との関係性を構築するために、コミュニケーション量が十分なのか、市場や他社と比べて評価をしなくてはならないと思っていました」
無印良品におけるアプリの成長計画を踏まえると、iOSとAndroidの両OSがカバーができて、海外市場も網羅しているデータが求められていました。「そこでApp Annie Intelligenceの導入を決めました。網羅的なアプリ市場データが必要だったのです。」と川名氏は語ります。
結果
無印良品は日本では既に400店舗以上、米国、フランス、英国、中国を含む国外でも340店舗以上を展開しており、実店舗への来客を増やすことこそがMUJI passportアプリの主なゴールの一つだと川名氏は話します。
「無印良品の会員の平均の購買回数はだいたい年に6回程度のため、無印良品の場合ではDAUやWAUよりも、MAU程度の頻度でのコミュニケーションができていることが重要だと考えて、MAUをトラックし、App Annieを使って他社と比較をしています。」(川名氏)
加えて、MUJI passportでは顧客エンゲージメント強化のために「from MUJI」という記事コンテンツを配信するメディアとしての機能を強化しており、滞在時間のような数値にも注目し始めていました。そこで、App Annieを見ることで川名氏とチームは定量的に仮説を検証することが出来たと言います。
「MUJI passportの滞在時間はもっと改善できるだろうなと感じていて、実際にApp Annieの数値を見てみると、やはり他社と比べてまだ滞在時間が短かいということがわかり、もっと改善できるんだろうなと感じました。」(川名氏)
App Annie のデータとともに進化を続けるMUJI passportですが、川名氏は今後のアプリへの期待を以下のように語ります。「今は単純に集客やCRMを目的として、会員証を提示する、メディアとしてコミュニケーションを図る、という位置づけが大きいですが、アプリを使って、決済だってできるし、店内を案内するみたいな話とかもできる。」
「もっと購買の体験を変えていくために、アプリだからこそできることがあると思っている。ブランドとそれを取り巻くものとの橋渡し役になれるような機能をアプリには期待します。」
利用開始
App Annie Intelligenceの詳細はappannie.com/jp/intelligenceをご覧ください。