背景
Hero Entertainmentは北京に本社を置く中国のモバイルゲーム開発企業です。2015年の設立以来、同社はCrisis Actionで大きな支持を集め、アジアで立ち上がりつつあったeスポーツ業界をたちまち席巻しました。このFPSゲームはプレイヤーが4億人を超える人気作となり、アジア各国の市場で収益ランキング上位の輝かしいパフォーマンスを誇るなど、今では業界全体のeスポーツトーナメントにおける中心タイトルとみなされています。
課題
eスポーツの世界的人気を知ったHero Entertainmentは、人気ゲームのCrisis Actionを別の市場への展開を開始しました。当初は特に市場データを使わず、主にチームメンバーの過去の経験に基いて参入する市場を絞り込みました。これらの市場におけるマネタイズの可能性を分析しなかったために、結果には大きなばらつきが出ました。
チームは試験的に、中国本土と地理的にも文化的にも近い香港と台湾でゲームをローンチすることを決定。チームが主要ターゲットとしていたユーザー属性は、20代の男性ゲーマーを中心としたハードコアなモバイルゲーマーを想定していましたが、このニッチな市場の規模は予想より小さいものでした。
結果
国際展開チームはほどなく、最も収益性の高い市場を知るために、ゲームプレイヤーの消費習慣を分析できるデータが必要だと判断しました。そのニーズに合うデータソリューションとして浮上したのが、App Annie『Intelligence』でした。
App Annieのデータを使ってCrisis Actionに類似したFPSゲームのパフォーマンスが良好で、ユーザーあたりの平均収益(ARPU)が高いターゲット市場を洗い出しました。ダウンロード数と収益のデータから、このジャンルのゲームは湾岸諸国でプレイヤー数が多く、ARPUが高い傾向にあることがわかったチームは、Crisis Actionのアラビア語圏プレイヤー向けのローカライズに注力します。また、地域別のARPUデータに合わせてアプリ内アイテムの価格も調整しました。
一方、デジタルマーケティングチームは、App Annie『Marketing Intelligence』のクリエイティブギャラリーを見ることで、各市場でどの広告クリエイティブが効果を上げたかを調査。類似のゲームタイトルがターゲット市場で使っているクリエイティブを知ることで、自国と文化や習慣が大きく異なる国への新規参入がかなりスムーズになりました。
Hero Entertainmentは、App Annieのデータをマーケティング戦略全体に統合し、自社と競合アプリのデータをもとに意思決定を行うようになりました。国際展開チームは、App Annieの直感的なダッシュボードを使ってマーケティングの決定を最適化できるようになり、結果としてCrisis Actionはアジアの主要市場におけるダウンロード数ランキングと収益ランキングで順位を伸ばしました。Bin氏は、「App Annie『Intelligence』の活用で、当社はタイのGoogle Playにおける収益を2016年8月~10月に40%伸ばしました」と述べています。
国際展開チームはまた、App Annieのデータを使い、新たな業界トレンドの分析を実施。モバイルアプリのように動きの激しい分野では、新たなトレンドが絶えず生まれています。「当社はApp Annieのデータを使い、あるアプリがなぜ効果を上げたか、ユーザーはどう反応したかを検証したうえで、次のステップを決定します」とBin氏は述べています。
利用開始
App Annie Intelligenceの詳細はappannie.com/jp/intelligenceをご覧ください。